先週末、耳鼻科に行きました。
耳鼻科の医師の先生の診断と処方を受けて、プロの医師とプロコーチの共通点を見つけたのです。
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医師の診断レベルと個別対応の細やかさに感嘆
生まれてこのかた、ずっと花粉症を認めずに生きてきたのですが(笑)、今年は例年にないくらいにひどかったのです。
朝起きた瞬間に鼻をかみたくなることからスタートして、
・朝シャワーを浴びると鼻をかみたくなる
・会社でも鼻をかみたくなる
・商談中も鼻をかみたくなる
・自宅に帰るとくしゃみをして鼻をかむ
といった感じでした。
仕事での生産性はダウンしていました。。。
きわめつけは、先週末のSkypeコーチングセッション中です。
クライアントさんから、「伊藤さん、風邪ですか?」という声をかけてもらいました。
「お聞き苦しくて恐縮です・・・。」
クライアントさんの言葉は少しソフトでしたが、「コーチがセッション中に鼻をすすっていると気になってセッションに集中できないな。。。」という言外の雰囲気を感じました。
コーチングセッション中にクライアントさんにそのような思わせてはいけない。
そう思うと、すぐに耳鼻科に行く気持になったのです。(^_^;)
耳鼻科には、鼻炎で苦しんでいる息子と一緒にいきました。
私が先に診察を受けました。
医師の先生は、私を診て、
・花粉症のような感じだね。
・ただ、どのような状況下で鼻が苦しくなるのかまでは現時点で特定はできない。
・花粉症も落ち着く時期なので、薬で様子をみましょう。
という診断をくだしました。
次に息子の番です。
先生は、
・これは鼻炎だね。
・薬を出します。
・様子がよくなったら、点鼻する回数を減らしていきましょう。
という診断でした。
診察を終えて処方箋をもらい、薬を見てみると、
・私と息子と飲み薬は一緒。
・しかし、点鼻薬は種類が異なり、1日に点鼻する回数も異なる。
でした。
同じ人間の同じような鼻腔ですが、患者の状況や状態によって対応が変わるのですね。
同じ薬を出したかと思えば、異なる点鼻薬を処方しているからです。
当たり前と言われると当たり前なのかもしれませんが。。。
あまり病院に行かない私は、医師のきめ細やかな個別の対応と的確な診断に唸りました。
成功体験が固定化された型をつくり上げてしまうリスク
耳鼻科の医師のように、コーチもクライアントに対して個別で対応する意識は欠かせません。
なぜなら、クライアントが100人いれば、100通りの成長があるからです。
そのために、クライアントをより深く知って、継続的なかかわりを持って、深い対話をしていくことが必要です。
そして、クライアントのパーソナリティーや状況に合わせて、個別にカスタマイズしていく。
まさに、医師が患者に処方箋を書くようなものなのです。
少し話は変わりますが、コーチとして多くのクライアントさんに接してくると、コーチングのテクニックやスキルは上達していきます。
クライアントにヒットする質問も増えてきます。
それが成功体験となります。
すると、別のクライアントさんにも同じような型でセッションをおこなおうとするようになります。
ただし、そのようになってしまうと、コーチとしての実力は頭打ちになります。
テクニックやスキルを上達させることはコーチとしての成長に不可欠です。
しかし、それ以上に重要なのは、テクニックに頼る前に、クライアントさんの状況や心情を理解して、個別にカスタマイズすることなのです。
個別カスタマイズを忘れないための2つのポイント
私が個別対応の意識を忘れないように意識していることが2つありますのでご紹介いたします。
(1)思い込みをはずす
「このクライアントさんは、以前のBさんと同じタイプだから、同じようにアプローチすれば大丈夫だろう。」
コーチとして経験を積んでくると、このような思考が生まれてくることがあります。
しかし、これは危険です。
このような思い込みを持ってセッションにのぞむと、クライアントさんが心から話しているかどうか見えなくなります。
さらに、「コーチがゴールに導く」という過ちをおかしてしまう可能性が高まるのです。
そのため、このような思い込みをはずすことを意識しています。
(2)常に新しい視点を探そうと努める
特に継続のクライアントの場合、「Aさんはこのようなタイプの人だ。」という認識してしまいます。
もちろん、それは継続しておつき合いくださっているクライアントだからこそわかるメリットです。
そのような情報を持っているからこそ、たずねられる質問もあるのです。
しかし、一方で大切なのは、「Aさんは、本当に私が思っている人物像とマッチしている人だろうか?」「いま、本心から話してくれているだろうか?」という、少し距離をおいたアプローチです。
できれば、表面的なクライアントの姿だけでなく、クライアントも気づいていないような裏側を探っていきます。
そのためには、親睦が深まっているクライアントであっても、本心や本当の欲求を探求する意識が必要なのです。
まとめ
たとえば、ゴール達成へのプロセスを考えることひとつをとってみても、
・アナライザータイプのように、計画的、分析的に進める方があっているクライアント
もあれば、
・とにかくゴールまで楽しみがないとやる気が出ないプロモータータイプのクライアント
もあります。
この2人に同じようにゴール設定をしても、2人ともに成果が出るとは限りません。
だからこそ、状況をよく見て個別のコミュニケーションをとることが重要なのです。
・関わり方を個別にカスタマイズしながら、
・常に新鮮な視点でクライアントの裏側を探求し続ける。
そのような視点を持ってご支援してこそ、クライアントにとって信頼できるコーチになっていくのです。
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■編集後記
昨日は、初対面のコーチと相互コーチングのトレーニング。
私自身がクライアント役のときに、最近おちいっていた「やるべき思考」や「やらなければいけない思考」をときほぐしていただきました。
不思議なことに、私が自分でブレーキをかけていたことを、今朝スルっとやり始めることができました。
あらためて、コーチングのパワーを感じています。(^_^)
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