先日、5キロ完走を目指して走りはじめた友人から「伊藤さんは、最初にフルマラソンを走ろうと思ったきっかけはなんですか?」と聞かれました。
考えてみると、他の人にあまり説明した経験がなかったようです。
そこで、ブログ記事にしてみました。
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きっかけは村上春樹さんのエッセイ
私が、はじめてフルマラソンを身近に感じたのは、作家の村上春樹さんのエッセイを読んだときだと記憶しています。
村上さんは、高校生の読書感想文で「ノルウェイの森」を読んで以来今も昔も私がもっとも好きな小説家で、新刊が出れば必ず買うくらいのファンです。
大学生時代に読んだエッセイの中で、村上さんは早起きをしてジョギングをすると書かれていました。
その健康的なイメージは、「小説家は部屋にこもって原稿用紙にむかっている不健康な人種のひとたち」という私の固定イメージを見事に壊してくれました。
このような体験があると、人はファンになるのですよね。
そうして、村上さんのエッセイや小説を読んでいくにつれ、「いつか自分もフルマラソンを走れたらいいなぁ」と思うようになっていきました。
これは、憧れの人に少しでも近づきたい、尊敬する人と同じことをやってみたい、といった気持からきているのだと思います。
ただ、そのように思いつつも、学生時代から長距離走は大の苦手。
短距離はそこそこ得意だと自認していたものの、マラソン大会はどうにかして休めないものか、と考えていました。(^_^;)
震災によって「いつか」が「いま」に変わった
「人生のうちで、いつかフルマラソンを完走してみたい」
そう思ってから10年以上の時間が過ぎました。
その間に、ためしに東京マラソンに応募したものの、運動はほとんどしていませんでした。
徐々に増えていく体重を減らすために妻とはじめた早朝ウォーキングも、冬の寒さに負けて挫折しました。。。
これでは、いつまでたってもフルマラソンなんて走れませんよね。
私の師匠は「いつかと言わない」というマイルールを持っていますが、「いつか」と言っている限り、それはいつまでもやってこないのですね。
さて、そのような状況で、2011年3月11日、あの大震災が起こりました。
地震を受けて「人の人生はいつ終わるかわからない。いつかと思っていたことをやるなら今しかないんじゃないか?」という当たり前のことを感じたのです。
そこで、ようやく一念発起。
私は「35歳の誕生日までにフルマラソンを完走する!」という目標をたてました。
(なぜ35歳だったのかは理由があるのですが、長くなるのでまた別の機会に記します)
・・・といっても当時、私はすでに34歳でした。
ただ、11月生まれだったので準備期間は半年以上あります。
マラソンを走るのは本当にずぶの素人でしたが、下記の本を参考にしてとりあえず独学でジョギングをスタートしました。
最初はウォーキングからはじめました。
徐々に走ることを始めましたが、3キロ走れただけでだいぶ達成感があったことを記憶しています。
そうして、6月に荒川のハーフマラソンに出場することにしました。
はじめてのマラソン大会は、制限時間2時間30分のところ、2時間27分でなんとかゴール。
早起きして朝ランをする習慣が定着したこともあり、「村上さんと同じようなことをやってるじゃん!」となってセルフイメージが高まりました。
「自分もやれば意外とできるんじゃないか?(走るのは遅いけど)」
そのようなかすかな自信のようなものがうまれてきたのもこの頃です。
初めてのフルマラソンを無事に完走
その後も週3回くらいのジョギングを継続。
2011年10月30日、「しまだ大井川マラソンinリバティ」でいよいよフルマラソン大会にエントリーしました。
関東に手頃な大会がなかったのと、制限時間が7時間と長かったので、静岡県の大会にしました。
このとき、自分ひとりで勝手に出場を決めたので、奥さんともめました・・・(それも今では良い思い出ですけれども・笑)。
そして、いよいよスタート。
スタートラインをまたいだ瞬間、「ああ、いよいよ自分もフルマラソンに挑戦できるようになったんだ・・・」と感動して涙ぐんだシーンは、今でもはっきり覚えています。
私のような走りはじめて半年の初心者でも、制限時間が7時間あれば十分完走は可能でした。
結果、たしか6時間ちょっとくらいのタイムで無事にゴールを果たしました。
ゴールのあと妻に電話して、嬉しいことがあったときに真っ先に連絡したい人が存在している幸せを味わったことも記憶しています。
帰りの電車で飲んだ缶ビールは、その10年間の中で一番おいしいビールでした。
それは本当におせじ抜きに、うまかったんです。
まとめ
長距離走が苦手だった私が、フルマラソンを完走できた大きな理由が1つあります。
それは、「マラソン」に対する自分の定義を書き換えたことによります。
それまでの私にとってマラソンとは、「つらくて苦しいもの」でした。
しかし、「忙しいビジネスマンが3ヶ月でフルマラソンを完走する方法」を読んで、実際に走るうちに、マラソンが「マイペースで気持よく走ることで、苦しくなったらいつでも歩いて良い運動」になったのです。
この変化によって、マラソンへのイメージがマイナスからプラスに転じました。
そのため、今でもやめずに続けられているのです。
あなたももしかしてマラソンを「つらくて苦しいもの」だと思っていませんか。
それであれば、「マイペースで気持よい運動」に定義を書き換えてみてはいかがでしょうか?
スポーツの秋も到来しています。
・・・なんだかちょっと走りたくなってきたなぁ(笑)。
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■編集後記
昨日は仕事を終えてプールトレーニングへ。
なんか体が重い。。。
明日のスイムパート(変則的なトライアスロン大会)が心配です・・・。
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